J-JOURNAL 7周年企画「実況者としての矜持」 北川義隆さん登場!
――長嶋茂雄氏はスター中のスターだと思います。ジョカトーレの中にも、スターと、そうはなれないジョカトーレがいると思います。北川さんから見て、その差はどのようなものだとお考えでしょうか?
たとえば、フランチェスコ・トッティやダニエレ・デ・ロッシは、ローマでも特別なジョカトーレだと思います。
彼らとそのほかのジョカトーレの差は、どのようなものに感じますか?
「気さく」か、そうではないか、のように感じますね。別け隔てなく、というか…。彼らは僕の顔を覚えてくれたら、気さくに話しかけてくれました。
中田(英寿)さんがローマに来る前で、試合を観にくる日本人の記者って僕だけだったんですよね。だから「変な日本人がいるぞ」と思っていたのかもしれませんね。
まして、中田さんがいなくなっても観に行くのは僕だけでしたから。
たまたま、デ・ロッシはうちの近所に住んでいたんですよ。
互いによく行くレストランが一緒で、「また会ったね」とか会話をするようになって、たまにお会計とか払ってくれたりするんですよ。
――凄い…。
だから僕も日本に帰ったときにお酒とかを買ってきて、レストランに預けとくんですよ。そのレストランのオーナーとは仲が良かったので「デ・ロッシに」って、お返しを毎回していましたね。
スター選手って、どこかで「見られている」って感覚はあるんでしょうね。それでいて、フランクなんですよ。でも、緊張感を持っていて。なんとなくですが、そんな気がしますね。
トッティに関しては、これはどこかで話したことがあったと思うんですけど、ローマの空港で彼に偶然会ったんですよ。
彼が怪我をしていた時期で、僕はサンシーロに行く予定で、トッティはたしかベルガモに行く用事があって同じ便の飛行機だったんです。
それで「おう!」って話しかけてくれて、近くのバールでカプチーノをご馳走になったんですよ。
そのときにアリタリア航空のスチュワーデスさんが駆け寄ってきて、「私の彼氏、あなたのファンだから話してあげて」って携帯電話を渡してきたんですよ。
「いいよ」って言って「元気?」とかって普通に話していましたね。
(一同爆笑)
なかなかできないですよね。普通。
イタリア人の気質なのかもしれないですけどね。「気さく」でしたよ。デ・ロッシもトッティも。
なので、その「差」はなんですか? と問われれば「気さく」かそうではないか、という答えが近いような気がします。
コメント
アンジェロさんと北川さんのイタリア語トークいつか見てみたい・・・笑