コラム:金字塔を打ち立てたユベントスが次に見据えるもの
ビアンコネーロは今シーズンのスクデットを獲得した。公式の回数は35回だとしても、ユベンティーニは37回目としてカウントするだろう。
そしてセリエA第33節フィオレンティーナ戦、試合終了のホイッスルが近づくと選手たちの笑顔とともに独特の嬉しさがこみ上げてきたはずだ。
選手たちが喜びを爆発させる光景をみて、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でアヤックスに喫した敗戦が、ほんのわずかに和らいだのではないだろうか。
それでも、もどかしい気持ちを抱えたユベンティーニも少なくないはずだ。
アヤックスとの2ndレグの前日、マッシミリアーノ・アッレグリは「彼らはつねに同じ論理をもってプレーしている」
「ホームでもアウェイでも関係なくね。危険な相手だ」とコメントしていた。そしてその言葉がそのまま当てはまる試合展開で進行し、イタリア王者は蹂躙(じゅうりん)された。
とくに前半45分間で負傷によりFWパウロ・ディバラがピッチを退くと、中盤にバランスを失い、ズタズタに切り裂かれた印象が濃い。
グループステージではドイツの盟主バイエルン・ミュンヘンに負けることなく、大会ベスト16ではCL3連覇中のレアル・マドリーを倒した実力をいかんなく発揮した。
こむずかしい戦術論は割愛するが、アヤックス伝統のトライアングルをどの局面でも作り、ボールホルダーを三角形の頂点にFWも、CBでも状況に応じて全力でその「点」に加わった。
Akhayar極端な言い方を許してもらえるなら、この戦術は50年近く変わっていない。故リヌス・ミケルス(1928〜2005)が作り出したとされ、その愛弟子だった故ヨハン・クライフ(1947〜2016)が進化させた。
クライフはこの戦術をアヤックスのアカデミーに定着させ、バルセロナの監督になるとスペインに“輸出”した。そこで育ったジョゼップ・グアルディオラが受け継ぎ、バルセロナの監督になりサッカーそのものを根本から変えた。
その後もバイエルン、現在はマンチェスター・シティでより進化させた形で実践しているのは誰もがしるところだろう。
彼らの戦術の大原則でもある「三角形」を作るために、DFでもGKであろうと攻撃に参加する。表現を変えれば、「しなければならない」と子供の頃から徹底的に教育されている。
また、これはクライフが初代になるだろうが、グアルディオラも過剰なほどGKに足元の技術を求めるのは、ここに起因する。
ユベントス戦では縦に素早く“縦長”の「二等辺三角形」を構築し、イタリア王者の中盤を攻略し、MF陣を無力化させた。
戦術で負けたというより、チームの約束事と選手個々のアイデアの差が明暗を分けたのではないだろうか。
余談ながら、“空飛ぶオランダ人”と愛された天才はバルセロナの監督時代、ミランに0-4で屈辱的な敗戦を喫したCLファイナルの帰り道のバスの中でGKアンドニ・スビサレッタをクビにした話はあまりにも有名だ。
コメント
スクデットの数が
30を超えるあたりで
ユニフォームのステラを
大きい星3つにするかどうかで
揉めてたころが懐かしいな。
まったくその通りです。
はたしてアッレグリにそれが出来るのか?
チームを応援はしていますが、僕は昨シーズン始めからアッレグリには期待してません。