コラム:金字塔を打ち立てたユベントスが次に見据えるもの
結果は違っていた可能性もあった。怪我は致し方ない事故だが、“怪我がちな”両者をどの試合で起用するかはアッレグリの手腕だったのは否めない。
今シーズンはコッパ・イタリアを含む国内での敗戦は、全試合キエッリーニを欠いてのものである。これはもはや説明不要の事実であり、アッレグリの脳裏にもあったはずだ。
そして指揮官は、マンジュキッチにCFを任せながら、守備的な役割をおおく求めた“ふし”が濃厚だ。そして膝の違和感は4月6日の時点で分かっていたのなら、対策は立てねばならなかった。
前者は34歳であり、後者は32歳である。もし、起用法さえ変えていればアヤックス戦の2試合に間に合っていた可能性も否定できない。
だが、終わった話である。今シーズンの失敗を来シーズンに生かせば、報われることになる。そう信じたい。
ユベントスは今シーズン、クラブ史上初となる「三冠」を目指していたが、悲しくも「一冠」に終わった。
だが、これまでリヨンと国内7連覇で並んでいたが、スクデット8連覇を達成したことで晴れて欧州5大(イタリア、イングランド、スペイン、ドイツ、フランス)リーグ、単独トップに躍り出た。
おそらく、この功績を塗り替えることはほぼ不可能な金字塔になるだろう。だが、ビッグイヤー獲得への羨望があった者からすれば物足りなさを感じているのは確かである。
VnReview擁護するならば、イタリア人にとってスクデットとはビッグイヤー以上の価値があるようだ。だからこそ、アッレグリはカンピオナートに集中することを理解しなければならない。
だが、クラブを根本から復活させたアンドレア・アニェッリ会長が「CL制覇」を目標に掲げ、公言した現在、来シーズンはCLを重視した選手選考を願いたい。
さて、現在もおおくの負傷者を抱えるユベントスだが、今シーズン残り全試合に勝利すれば2013/14シーズンにアントニオ・コンテが築いたクラブレコードの勝ち点「102」に並ぶ。
今後はインテル、トリノ、ローマ、アタランタ、サンプドリアと難敵ばかりだ。だからこそ、来シーズンを見据えた陣容で全勝を目指すべきだろう。
来シーズン、ユベントスが、アッレグリが、ビアンコネーロの戦士たちが、本気でCL制覇を目指すのならば、消化試合などあってはならない。
あの日、ホームで迎えたアヤックス戦の終了を告げた落胆のホイッスルは、来シーズンのCLへの飛躍を誓わせるホイッスルであることを期待したい。
何より「セリエA一強時代」となった現在、「真の強豪」という名の市民権は「CL制覇」を成し遂げてこそ認められるのではないだろうか。
チームの約束事の徹底。前で潰す守備。戦力の見直し。ベテラン選手の起用法…など問題は山積みだ。
その問題をチームとして、これからどう乗り越えてゆくか。来シーズンのCL開幕を一日千秋の思いで待ちたい。
著者:J-Journal 山口 努
コメント
スクデットの数が
30を超えるあたりで
ユニフォームのステラを
大きい星3つにするかどうかで
揉めてたころが懐かしいな。
まったくその通りです。
はたしてアッレグリにそれが出来るのか?
チームを応援はしていますが、僕は昨シーズン始めからアッレグリには期待してません。