コラム:さらなる高みを目指して。ヴォイチェフ・シュチェスニーの決意
「例え第2GKだったとしても、今までのキャリアの中で最高のシーズンとなったよ。なんたって最高のレジェンドから学ぶ機会を得たんだからね」
当時のブッフォンと過ごした日々を懐かしむ彼は、今季からこの偉大なるカピターノが身につけた背番号「1」を継承し、ビアンコネーロの正守護神の座に就く。
「彼の次にゴールを守ることは簡単なことではないと理解している。もちろん不用意なミスなんて出来ないしね。でも、中途半端な覚悟でユベントスのGKは務まらないよ」
「全力を尽くし、相手に得点を許さない。それこそが今自分がするべきことだ」
かつて愚行を犯し、チームでの居場所を失った頃の未熟なメンタリティは今やもう、その芯までもが白と黒色に染まっている。
今季初黒星を喫したCLグループステージ第4節・マンチェスター・ユナイテッド戦の出来事がいい例だ。
シュチェスニーは相手方のOBに”チーム唯一の弱点”と揶揄され、非難の的となった。
Twitter.comそれでも、その4日後に行われたセリエA第12節・ミラン戦ではゴンサロ・イグアインのPKをストップし自軍の勝利に貢献。
周囲の”雑音”を口を開くことなく、結果を出すことで掻き消してみせた。
無論、これまでの彼のプレーを見てきたティフォージであれば、シュチェスニーがチームの弱点ではないことなど重々承知しているだろう。
実際、ネット上ではこの「弱点」発言に抗議する声も散見された。
それでもこの件に言及することなく、行動で自身の存在価値を証明してみせたミラン戦でのパフォーマンスからは漢気を感じずにはいられない。
ゴールキーパーというのは、たったワンプレーで「勝利を呼び込む英雄」にもなり得るし、対照的に「敗北のきっかけを生んだ戦犯」にもなり得る難しいポジションだ。
競争の激しいプロの世界ともなれば、その肩にかかるプレッシャーの程は想像に難くないだろう。
そんな重圧と日々戦いながら、彼らは今日を生きている。
1年前、フットボールの歴史に名を残すレジェンドに背中を任されたこのユベントスの新たなる背番号「1」は、前任者から多くのもの学び、そして受け継ぎ、さらなる高みへと一歩を踏み出した。
提供/Fino Alla Fine daiary
著者/J-Journal 編集部 座間 遼祐
編集/J-Journal @JJ
コメント
シュチェスニーと言えば去年のCLレアル戦の2ndレグで怒り狂って退場するブッフォンを必死になだめながら俺に任せろって雰囲気で交代する場面が頭を過る。
結果としては負けた試合でしたがあの時のシュチェスニーの熱い振る舞いには正直いい意味で驚かされました。ユベンティーノに対しても今後の力強いアプローチになってたと思います。
頑張れシュチェスニー!