コラム:止まなかった雨
そのマルキージオは、セリエA第31節ベネヴェント戦で久しぶりにキャプテンマークを巻いて、先頭を歩いてピッチに入場した。63分にFWゴンサロ・イグアインに代わってピッチを退いたが、度重なる怪我、試合勘の欠如か、かつての輝きを垣間みることができなかった。
現ユベントスの背番号「8」のように今シーズン終了後、多くのベテランの退団が取りだたされている。レアル・マドリーに喫した0-3の敗戦後、かねてよりあった噂はその域を越え、ベテラン選手たちの勇退がもはや既定路線になっている色が濃い。
それほどまでに、王者との惨敗劇はチームの改革を促したのだろう。
余談ながら、CLレアル・マドリー戦には当サイト(JJ)のスタッフが現地スタジアムで観戦していた。日本ではとっくにLIVE中継が終わった頃、1人チームメイトたちから外れ、帰宅し始めるユベンティーニのいるスタンドの各エリアに挨拶に回った選手がいたようだ。
ジャンルイジ・ブッフォンである。
今年40歳になる大ベテランに敗戦のすべてをなすりつけるのはナンセンスだが、日に日に「現役をつづけて欲しい」という声が小さくなっているのは確かだ。そして、マドリーに敗れた途端に手厳しいコメントを投げかけるユベンティーノも存在する。
否定派も肯定派も、経営に関して非の打ち所がないフロント陣の判断、そしてブッフォン自身の判断を待たなければならない。デル・ピエロのように、ユベンティーニの希望のすべてが通らないのがサッカー界の常である。
JUVENTUS JOURNAL日本時間12日3:45にはサンティアゴ・ベルナベウで運命の2ndレグが行われる。最低でも3得点が必要な状況で、ユベントスがどのような姿勢で王者に挑んでくれるかを楽しみにしたい。
その姿勢こそ今シーズンはもちろん、来シーズンのユベントスを構築していく過程でも重要になってくるはずだ。たしかにFWパウロ・ディバラの不在は痛いが、マドリーもCBセルヒオ・ラモスがいない。
何かある。
アッレグリも自身のTwitterで「勇気を持ってマドリードに向かおう。フットボールの歴史は思いもよらない成功に溢れている!」と呟き、士気を高めている。
また“アッレグリ・ユベントス”が初めて、CL FINALの舞台に立った2014/15シーズン。相対したバルセロナは退団を口にしていた「シャビのために」と団結していた。バルセロナのレジェンドは78分、MFアンドレス・イニエスタと代わり投入された。
チームの団結や結束は物理的なものではないため、決して目には見えない。サンティアゴ・ベルナベウの地で、最低でも3得点はたしかに困難を極め過ぎるほどのミッションだろう。しかし目に見えないものほど、チームに“違い”を生むものだ。
だとすれば、大逆転の鍵を握るのはブッフォンがチームメイトに投げかける「言葉」ではないだろうか。
あの日、たしかに雨は止まなかった。降りしきる雨のレアル・マドリー戦終了後、ブッフォンはなぜ1人ピッチに残り、スタンドの全方向に挨拶をした真意は分からない。だが、期する想いをもってスペインの首都に向かうのは確かなはずだ。
著者:Juventus Journal 編集部 山口 努
▶現地観戦でユベントスを応援してみませんか?スタジアムへの行き方やご相談はこちらから
コメント
気合やスピリットも重要ですが、結局このレベルの相手には技術で対抗出来ないと話にならないというのが正直な感想です
ピアニッチの勝負パス一発からゴールが決まったりするのでそこまで目立ってはいませんけど
今季のユーベはSPALやヴェネヴェント相手にもショートパスをつなぐことに苦労してるんですよねえ
ファンタジスタのパス一本で局面変えるのはイタリアサッカーの魅力ではあるんですけど、もうそんな時代じゃないというか
スペインの2強に対抗するならクオリティの高い選手を揃えてパスワークで渡り合えるチームを作る以外の解決策は無いと思います
本当にビダルはユベンティーノから愛されていたし、今でも愛されている。
個人的にも本当に好きだった。
記事にある通り闘える選手が中盤~前線にかけて欲しい。劣勢を跳ね返すには闘える選手が前線にいないと。
だからジャンやセルゼイは良いと思うし、ユベントスに合うのかなと。
とにかくベルナベウルでの2Leg。
勿論勝ち抜けを諦めてはいませんが、限りなくmisson impossibleに近い。
でも諦めずに闘って欲しい!
せめてベルナベウルで勝利を!
Forza Juventus!!