コラム:現在ユベントス首脳陣がおこなっている“精算”
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
昨シーズン終盤からビアンコネーリがおこなっている「改革」は、これまでのクラブ史上でも類をみないほどの大改革となっている。
これまでチームの柱と目されたFWパウロ・ディバラと契約を更新せず、FWフェデリコ・ベルナルデスキにも別れを告げた。
DFジョルジョ・キエッリーニとの別れは必然だったとしても、DFマタイス・デ・リフトが移籍を申し出ると、クラブが引き留めた“形跡”はなかった。
MF陣をみても、高年俸のため“ネック”となっていたMFアーロン・ラムジーとは、躊躇(ちゅうちょ)なく契約を解除。
同じく高年俸のMFアドリアン・ラビオのマンチェスター・ユナイテッドへの売却もあっさりと許可したが、代理人が強硬な姿勢を崩さず破談に終わっている。
ラビオについては今夏のメルカートの最終日まで、“揺れる”立場になることは間違いなさそうだ。
SBルカ・ペッレグリーニは、WGフィリップ・コスティッチを獲得する際に“密約”を感じさせるほど、あっさりフランクフルトにローン移籍に出している。
tuttosportその一方、獲得は想像を超えるほど「手堅いユベントス」に戻ってきた感覚を覚えるユベンティーニは、少数派ではないはずだ。
“違い”を作れるMFポール・ポグバとWGアンヘル・ディ・マリアをフリーで獲得し、FWメンフィス・デパイの獲得も目前とされている。
デ・リフトを売却すると、インテル移籍目前とされていたDFブレーメルを即座に獲得。
そして、前途の“チャンス製造機”コスティッチを「適正価格」以下で獲得する、離れ業をみせている。
ペッレグリーニのローン移籍が密約にあったとしても、「必要」とされたジョカトーレを適正価格で獲得できたことは称賛をされるべき手腕だろう。
もちろん、将来への投資も怠ってはいない。
SB、WB、メッザーラまでこなせるイタリア代表SBアンドレア・カンビアーゾを獲得し、経験を積ませるためボローニャへローン移籍を決断。
La Gazzetta dello Sport若いジョカトーレには敢(あ)えて、遠回りをさせる“抜け目のない”補強と捉えて良いだろう。
これらの動きは、もしかするとマッシミリアーノ・アッレグリ監督がチームに戻った昨シーズンの開幕前から“温め”、少しずつ実行した可能性も低くはない。
昨シーズンの開幕戦に出場したメンバーをみると、現在のチームに残っているメンバーはGKヴォイチェフ・シュチェスニー。
SBダニーロ、DFレオナルド・ボヌッチ、SBアレックス・サンドロ、MFマヌエル・ロカテッリ、WGフアン・クアドラード、FWフェデリコ・キエーザのみである。
そして、今シーズンの開幕戦は負傷離脱中のシュチェスニーとキエーザ以外、上記の全員がピッチに立っている。
昨シーズン、ウディネーゼとの開幕戦に出場したデ・リフト、ラムジー、キエッリーニ、MFロドリゴ・ベンタンクール、FWアルバロ・モラタ。
FWクリスティアーノ・ロナウド、ディバラ、ベルナルデスキ、MFデヤン・クルゼフスキはすでに新天地に旅立っている。
Tuttosportつまり、アッレグリ監督とクラブ首脳陣が早々に見限ったジョカトーレは、昨夏に売却。
少し猶予を与えた選手たちとは、昨冬、または今夏での別れを計画していた可能性が低いものではない。
では、なぜユベントスがチームの半数以上もの戦力たちに別れを告げたのか。
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