J-JOURNAL 5周年企画「実況者から見たユベントス」後編
――実況者の立場から、ユベンティーニまたはカルチョファンに伝えたいことがあればお願いいたします。
ほんの少し前までは、ヨーロッパのサッカーが好きな人ってみんなセリエAのファンでした。実際、最先端にあったと思うんですよね。
そのときからやっぱりイタリアといえば戦術ですし、しっかりとそれを語るっていう文化が今でも国として、文化として確立されていると思うんです。
おそらく日本のユベンティーニの方々もそういった目で試合を見ると思うんですけど、そういった文化をもっとファンとして発信していってもらいたいですね。
戦術とかをしっかりと見たり、語ったりする文化をもっとガンガン発信していったら面白く思えますね。
今、どちらかというと世の中はSNSやYou Tubeなどをユーザーが駆使し、そういう流れになってきているじゃないですか。
海外では戦術をYouTubeで分析していた人が、プロチームにスカウトされたりしていますよね。
イタリアはその先駆けですし、そういったところでの楽しみ方みたいなものをファンとして貫いてほしいですし、「こういうものがあるよ」というものをもっともっとファンが発信していって欲しいです。
日本は議論する文化ではないですし、どうしても相容れないところもあるので難しいかもしれないですけど。
そういうものが文化になる一つのキッカケみたいな、サッカーについてのキッカケをカルチョのファンや、ユベントスのファンがもっと導いてくれたら面白いのかなぁと思います。
【了】
本対談は昨年の「4周年企画」に登場して頂いた永田実氏と野村明弘氏が旧知の間柄で実現しました。
フットボールとチェルシーへの愛情。今後の日本サッカー界への提言など、本対談には収まりきれないほどの熱量で話して頂きました。
今シーズンも数多くの試合を実況される野村氏。同氏の経験してきたものが存分に詰まった「こぼれ話」は必見です!
取材:山口 努
協力:J-JOURNAL編集部 座間 遼祐
写真:嶋田聡史
取材協力:RE:BIRTH STUDIO
コメント
日本のフットボールファンの中でユベンティーニやセリエAのファンを中心に戦術を議論する場が増えると良いですね。
個人的にも戦術の理解を更に深めて、より楽しく観戦できる様になりたいと思います。