コラム:ユベントスが築いてきた礎
マッシミリアーノ・アッレグリがクラブを去り、その後の監督人事にはおおくの名前が挙がった。ジョゼップ・グアルディオラ、ユルゲン・クロップ、マウリシオ・ポチェッティーノ…。
最終的にマウリツィオ・サッリが監督に就任すると賛否両論が巻き起こった。たとえUEFAヨーロッパリーグ(EL)を制覇したとしても、ユベンティーニから信頼を寄せられなかった印象が濃い。
それでもアッレグリが就任したときのほうが、より辛辣(しんらつ)な印象があった。しかし、このイタリア人は望まれなかったものの自身の力で信頼を勝ちとり、その愛を引き寄せた。
ビアンコネーリが選んだのは、チェルシーをEL制覇に導いたイタリア人監督だった。
クラブが求めたのはユベントス史上最もおおくのタイトルを勝ちとったアッレグリをもってしても築くことができなかった「確固たるスタイルの確立」なのではないだろうか。
サッリの就任前、ユベントスは大きな変革をもたらしていることも見逃せない。昨年9月末に起こったジュゼッペ・マロッタの解任劇だ。この敏腕CEOは、現“王朝”の礎(いしずえ)を築いた。
そのことを危惧する識者もいれば、不信感を抱いたユベンティーニもいたのは確かだ。
90Minだが、その地位を譲り受けたファビオ・パラティッチCFO(チーフ・フットボール・オフィサー)は現在、メルカートにおいて目覚ましい活躍をみせている。
MFアーロン・ラムジー、MFアドリアン・ラビオという世界のビッグクラブが羨む才能をフリーで獲得し、世代交代が急務となっていたDF陣の補強にも成功させている。
DFメリフ・デミラル、クリスティアン・ロメロ。そして今夏のメルカートにおいて最大の脚光を浴びていたDFマタイス・デ・リフトも獲得してみせた。
果たしてパラティッチではなく、堅実さが売りだったマロッタがいたなら、これらの才能たちを一気に確保できたかどうか。
昨今の成績もあり、クラブの価値があがったのは確かだ。選手に「ユベントスでプレーしたい」と思わせる、かつての位置に戻りつつある。
その点だけでいえばデ・リフトは過去の遺産で獲得できた、稀有な選手といえないだろうか。
このオランダ代表は、幼少期からの夢を叶えた。ファビオ・カンナバーロに憧れ、カルチョの文化を羨望(せんぼう)していたデ・リフトを思うと、これまであったおおくの移籍の噂は精神的に堪えたはずだ。
噂されたクラブにいけば、もっと稼げただろうし、いわれのない罵詈雑言を浴びる必要もなかったかもしれない。
それでも憧れたユベントスに加入を選択したオランダ代表DFを今後も温かく見守りたい。
コメント
山口さん、いつも熱くなるコラムありがとうございます。
軸はFino alla fineとしてもプレーのコンセプトを打ち立てたいのでしょうね。
重大な怪我なく、目標を達成してもらいたいですね。
Pipeさま
毎回のご拝読、ありがとうございます。
会長は「FINO ALLA FINE」を永遠に守るために目先の利益ではなく、5年、10年スパンで補強を進めているのかな、と感じております。
今シーズンは大一番で怪我のないコンディション作りをお願いしたいですね。
引き続き何卒宜しくお願いいたします。
このコラムに言葉は要らない。
ユヴェントスが本当に好きな
ファンなら読み終わった後に
大きな感動があるだろう。
素晴らしい『コラム』をあり
がとうございます。
Juve愛さま
毎回のご拝読、ありがとうございます。
今後とも他媒体にはない視点でユベントスを描かせて頂ければと思う所存です。
引き続き何卒宜しくお願いいたします。
山口努 様
返信をいただきありがとうござい
ます。長くユヴェントスを愛して
きた者として、当サイトの存在は
とても嬉しいです。
これからも、ユヴェントスと共に
ユヴェントス・ジャーナルを応援
していきます。
ディフェンスの補強は素晴らしかったな。
いいコラムだわ