コラム:届かなかった想い
この無情のジャッジに、ブッフォンは激しい怒りをみせた。その結果、CLにおいてキャリア初のレッドカードを提示された。いかにこの試合に懸けていたか。ユベンティー二のみならず、全世界のサッカーファンは同情を寄せる。
このジャッジに、リーガ・エスパニョーラの元主審アンドゥハル・オリベル氏やイトゥラルデ・ゴンサレス氏は「PKにするまでのプレーではない」と、ブッフォンとユベントスに同情的だ。
その一部始終を目撃したメディアは賛否両論を展開。「PKか否か」に始まり、ブッフォンに対し「気持ちは分かるが偉大なキャリアの晩節を汚した」とも論じた識者もいた。だが、その一方でスペイン紙『MARCA』はPKに対して、アンケートを行った。
同紙は、マドリードに居を構える新聞社なのは周知のとおりだ。そこで24万人を超えるユーザーがアンケートに答え、57%が「PKだった」と回答。「PKではなかった」が43%。この結果を見ただけでも、断定することさえ微妙なプレーなのが分かる。
つまりマドリディスタ(レアル・マドリーのファンの愛称)ですら、「肩入れ」したくなる判定だということを如実に物語っている。また、マドリーの宿敵バルセロナ“寄り”の新聞社『SPORT』は「世紀の盗難」と報じ、『Mundo Deportivo』も負けじと「誤審の支配者」と伝えた。
Times Nowイタリア紙も黙っていない。『Corriere dello Sport』は「なんという泥棒」と怒りを滲ませた。『La Gazzetta dello Sport』では「ユーベの憤激 怒りと誇り」と称賛し、『TUTTO SPORT』は「こんな終わり方はないだろう」と同情的な見出しでビアンコネーロを慰めている。
だが、もう終わった話だ。ブッフォンは悔しさを滲ませつつも2連覇中の王者に賛辞を送っている。そしてFWクリスティアーノ・ロナウドは試合後に象徴的なコメントを残している。
「苦しい試合だったし良い教訓にもなった。結果は与えられるものではなく、最後まで粘って勝ち取るものなんだ。相手は手堅く、ブッフォンは好調だった」
「でもベスト4に値するチャンスを多く作ったのは僕らだ。ルーカスは押されたのになぜ抗議したのか分からない」と語り「でもサッカーにはこういうことはよくあるよ」と持論を展開した。
それでもブッフォンの心情をよく知るバロンドーラーは試合後のミックスゾーンで、記者に囲まれるユベントスの背番号「1」を抱きしめた映像は、今後もユベンティーノにとって忘れられない光景となるはずだ。
余談ながら、サッカー史に燦然と輝く記録と記憶を残した天才ディエゴ・マラドーナ氏は「あれはPKじゃないよ。ロナウドがヘディングしたとき、ルーカスは体を投げ出すしかなかった。目の前にはブッフォン、そして背後からはベナティアが迫っていた。私でも同じことをしただろうね」と擁護している。
コメント
もう国内タイトルだけでは誰も満足しないでしょう
CL取らないと満足できなくなってる
Fino Alla Fine
ジジ達とはこれでお別れだろうけど最後の最後まで戦おう
まだお別れじゃないですよ。
彼はきっとこれからもユーベで働き続けるでしょう。
過去7年の優勝チームを見返すとユヴェントスの名前しか記されていない。
こんなに素晴らしいことはない。