コラム:届かなかった想い
ユベントスが勝利すると、言われのない言動が飛び交うのは日常茶飯事となっている。2006年のカルチョ・スキャンダルは、全世界のサッカーファンの脳裏にいまだ色濃く残っているのは事実としてある。
しかし、ユベントスにはその罵詈雑言に立ち向かい、圧倒的なプレーで黙らせてきた偉大な男がいる。相手から、投げかけられた非情な言葉にこれまで悠然と立ち向かってきた。
かつて「勝者には道が拓かれ、敗者は言い訳を探すものだ。これはスポーツと同様に日々の人生にもよく当てはまるモットーだと思うね」
「人生には言い訳やアリバイを持ち込まない方がいい。それは二流の人がすることだし、そんなことより袖をまくって仕事に打ち込むべきだろう」と言い切っていた。
この言葉の主ジャンルイジ・ブッフォンは、どんなときでも笑顔を絶やさない男だった。
たとえ、これから試合で相対する敵だとしても笑顔で談笑する。ユベントスの絶対的な守護神であるブッフォン、とは少なくともそういう選手だった。アレッサンドロ・デル・ピエロからキャプテンマークを受け取った2012/13シーズンから、今日までそれは変わらなかった。
Clarín主将として試合前のコイントスでは相手の主将の肩を抱き、審判の説明を聞く。見慣れた光景であり、イタリア代表で共に戦った盟友、またはGKイケル・カシージャスのような親友だと、心が温かくなる光景を見せてくれた。誰でもそうではないだろうか。
試合中でも変わらない。たとえシュートを放たれたとしても、怒鳴ったりはしない。常に右手の親指を味方選手に送る。そこには「大丈夫だ。俺がいる」。そんな声が聞こえてきそうな光景だ。
かつては「サッカーとは実にシンプルなゲームだ。俺がすべてのシュートを止めればチームは負けないのだから」とまで言い切った男だ。
そんな選手が激昂した。
仲間を叱咤激励する姿すら珍しいが、ブッフォンがこれまで判定や審判に対し、激昂した光景を見た者は一体何人いるだろうか。ひょっとしたら、これまでの栄光に彩られたキャリアの中で初めての行動だったのではないだろうか。
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝レアル・マドリーとの2ndレグ、後半アディショナルの93分。PA内でDFメディ・ベナティアがFWルーカス・バスケスを倒したとして、マイケル・オリヴァー主審によってPKを宣告された。
コメント
もう国内タイトルだけでは誰も満足しないでしょう
CL取らないと満足できなくなってる
Fino Alla Fine
ジジ達とはこれでお別れだろうけど最後の最後まで戦おう
まだお別れじゃないですよ。
彼はきっとこれからもユーベで働き続けるでしょう。
過去7年の優勝チームを見返すとユヴェントスの名前しか記されていない。
こんなに素晴らしいことはない。