【試合評価】セリエA第15節アタランタ戦
マンジュキッチがMOM
プレミアリーグ マンチェスター・C vs チェルシー、エル・クラシコに続いて注目度の高かったユベントス・スタジアムでの一戦。コッパイタリアも含めて公式戦7連勝のアタランタが前節スタディオ・ルイジ・フェラーリスの雰囲気に飲み込まれる形で2004年以来の3失点を喫して惨敗したユベントス相手にどこまで通用するのかということに焦点が集まった。しかしホームで絶対的な強さを見せる王者は、惨敗後の大事な試合で今シーズン一番内容の伴ったパフォーマンスを見事披露した。
【試合結果】
ユベントス 3ー1 アタランタ
15min:アレックス サンドロ (マルキージオ)
19min:ルガーニ(ピャニッチ)
64min:マンジュキッチ(ピャニッチ)
82min:フロイラー(ダレッサンドロ)
ユベントスは前線と中盤の選手が様々なエリアに顔を出すことによってガスペリーニ監督のマンマーク戦術に対抗した。立ち上がりはお互いにスペースを消し合い、ファールでプレーが止まることが多かったが、ユベントスが最終ラインからのビルドアップを行う際にピャニッチが下がってボールを受けることによって中盤での数的優位を生み出したのでポゼッションを握り、一方的に押し込む展開になった。
逆にアタランタは前線3枚のうちの2枚に加えて中盤2センターがそのままポジションを押し上げてハイプレスをかける「2+2」の守備の形が見られなかった。また後半開始早々に2枚替えで勝負に出たガスペリーニ監督だったがピッチ上の流れに何も変化は起こらず、現状控えの選手層の薄さを露呈した。
【注目選手の採点】
▼ユベントス
1、マンジュキッチ:8.5(MOM)
このクロアチア人に対して「闘志をプレーに出す」という表現で片づけるのはあまりにも勿体無い。「ユベントスの本質をピッチ上に還元する度合いが高い」とでも言うべきだろうか。前線でのハイプレス、自陣深くまで戻ってのボール奪取など、今日はいつも以上に様々なエリアでの守備に貢献していた。前半終了間際にゴメスの枠内を捉えるシュートを顔面で”ファインセーブ”した場面は今日の彼の「ハイライト」であるに違いない。試合を決定づける3点目のゴールは彼の多大なる貢献に対する「ご褒美」であり、76分にスタンドから最大限の賛辞を受けてピッチを去った。
2、ピャニッチ:7.5
立ち上がりから中盤のスペースの潰し合いの様相を呈していた中、相手のプレッシャーがかからないようなポジショニングに工夫を凝らしていたことがチームのポゼッションを助けた。特にマルキージオがクルティッチからのマンマークを受けた時、ポジションを下げてフリーでパスを受けることによって最終ラインからのビルドアップがスムーズに行えた。またセットプレーでは相変わらず精度の高さを見せつけ、CKから2アシストを記録した以外にもFKで相手ゴールを脅かす場面が見られた。様々な局面で”ボスニアの魔術師”の本領を発揮したのであった。
3、ストゥラーロ:7.0
この大事な試合でアッレグリ監督のプラン、期待に見事応えた。アタランタの攻撃の核であり、中盤からサイドへ流れるケシエが右サイドにポジションをとっている時間帯にこのコートジボワールのヤングスターをずっと監視してマッチアップに見事勝利した。また相手のビルドアップ時の起点でカードをもらわないよなファールでプレーを止めたこともアタランタの攻撃を停滞させた要因となった。将に「伏兵」とも言える働きぶりを披露したのだ。
〇イグアイン:6.5
マンジュキッチの陰には隠れたが前線で相手のパスコースを切り、攻撃時には頻繁にポジションを変えてマンマーク戦術に混乱をきたした。
〇サンドロ:7.0
相手に捕まらないドリブルで前線まで持ち上がり、先制ゴールを叩き出した。
〇ルガーニ:6.5
サイドからのカウンター対策を施し、最終ラインで常に落ち着きを払っていた。
▼アタランタ
1、ケシエ:4.5
やはりユベントスのディフェンスに対してはまだ地力では通用しないようだ。ストゥラーロやアッレクス サンドロからのプレッシャーに対応できるだけの突破力はまだ備わっておらず、2点目を奪われた直後から左サイドにポジションを替えた。しかし30分過ぎにはイライラしていたのか、左サイドでマッチアップしていたリヒトシュタイナーを突き倒してカードもらったことに加え、78分には明らかにカットされるコースに縦パスを通そうとするなど、集中力が切れていると思われるシーンも残念ながら見受けられた。悪い意味での「若さ」が出てしまった印象だ。
2、フロイラー:5.0
全体的なパフォーマンスに安定感が増してきたガリアルディーニの出場停止を嘆いたファンは少なくないだろう。中盤2センターのポジション争いでガリアルディーニから遅れをとっている現状を感じさせる内容だった。守備ではピャニッチやケディラにマークを剥がされたり、脇のスペースを使われて一気に前線まで繋がれるシーンが目立ち、攻撃の組み立てでも相手の寄せに対応できず縦へ効果的なパスを供給できなかった。大勢が決した後ではあったが、唯一の救いは終盤にCKの流れから決めたあの美しいゴラッソだ。
〇ぺターニャ:4.5
前線でボールキープができず、ほとんど見せ場のないまま後半早々に交代となった。
〇ゴメス:5.5
サイドからの崩しの形を作る機会は少なかったが、ユベントスが少しペースダウンした時間帯に本来の動きを見せた。
コメント
今までの試合を見る限りでは明らかにピアニッチのポジションに問題があったと思います。あとはローマ戦でトップ下で続けていくかを見極めれたらいいかなと思います。
アタランタ戦に限っていえばイグアイン、マンジュキッチ、ピアニッチの関係が良かったと思います。ピアニッチをインサイドに置くとイグアインが下がってボールを受けにくるため対戦相手にしたら恐怖がきえていたのではないかと思います。マンジュキッチはチームのために汗をかくというユベンティーノが好むタイプの選手ですね。
あとベナティアよりルガーニがいいですね。ヘディングでの跳ね返しが弱い気がしますが落ち着いてプレーできてると思います。ベナティアは少し対応が軽い感じがするのですが気のせい?
久々に連動して崩すシーンを見れた気がするし、ピアニッチのトップ下起用の4-3-1-2良かったです。
誰かが言っていたイグアインの後方にディバラとピアニッチを置くクリスマスツリー型も試したら面白そう。
今日は何気にキエッリーニとマルキージオがフルで出れたのも大きかったと思う。
コメントありがとうございます!
確かに今日はピャニッチのポジションどりが良かったことが非常に大きかったと思っていますね。
しっかりと下がってボールを受けたので途中からビルドアップの場面でマルキージオに対するマンマークが緩くなりましたし。
あとディバラとピャニッチが2シャドーでコンビを組んでお互いに近い距離でプレーするのも面白そうですね、プレッシャーをかけられてもドリブルで持ち上がれるディバラ、プレッシャーがかからない状況でこそ正確なパスを供給できるピャニッチ。それぞれの特徴を生かせそうな感じがします!
前節の負けは無駄ではなかった。好チームのアタランタに対して素晴らしい勝利!
マンジュキッチの献身性には頭が下がります、本当に。
マンジュキッチは本当に素晴らしかったですね!ディバラ復帰してもスタメンで出したいくらい…
コメントありがとうございます!
本当にそれですよね、まるで昔からユベントスでずっとプレーしている選手のように感じます!
前のジェノア戦が、良い刺激になりましたね。アレッグリ流石です。
今日の試合は内容も文句なし(クリンシート出来なかったのは残念だったが)、イグアイン、マンジュキィチの関係性も、良かったですし、ルガーニも安定してました。ピアニッチは今シーズンのベストパフォーマンスでしたね。ただ、ディバラが帰ってくることを考えると、頭が痛いですね。2人も関係性が良かったので。
次のディナモザグレブ戦、是非勝って1位通過したいですね。ところで、ディナモザグレブ戦にはディバラは間に合うでしょうか?待ち遠しいです。
ディバラ、ザグレブ戦は微妙ですね。招集されてもスタメンではないと思います
コメントありがとうございます!
今日の試合で良い勝ち方をしたからこそ、次のザグレブ戦でパフォーマンスを落としてほしくないですね。
ピャニッチの使い方については今日の試合で大きなヒントを得られましたね!