コラム:CL史上4番目のチームを目指して
このシーンには、辛口でしられるファビオ・カペッロも「ユベントスの選手は優しく撫でただけで転げ回る」と痛烈に非難した。
批判や批評、中傷も試合に勝たなければ、すべてを覆すのが不可能なのがスポーツの世界であり、サッカーの世界なのは記すまでもないだろう。
だからこそ思い返して欲しい。昨シーズンのCLベスト16トッテナム・ホットスパー戦1stレグを。ホームで負けに等しい2-2で終え、マッシミリアーノ・アッレグリとチームへ非難が集中した。
しかしサッカーの聖地、ウェンブリー・スタジアムでの2ndレグは先制されながらも2得点を叩き込み、勝利を奪ってみせたことを。
つづくベスト8でもホームで0-3の完敗を喫しながら、サンチャゴ・ベルナベウで3-1の死闘を演じたことを。
だが、アトレティコは昨シーズンのDFセルヒオ・ラモスを欠いたレアル・マドリーよりも強敵の可能性が高い。
そしてユベントスにとって悪いデータがつきまとっている。指揮官のシメオネは現在5勝2分と対イタリア勢無敗記録を維持。
またユベントスはこれまで1stレグで敗戦を喫した5大会とも、逆転できずに大会を去っている過去がある。
xjuventusfootballclub.tumblr.comだが、CLとは悪しきデータを打ち破ってきた歴史の連続が燦然と輝く大会でもある。
真の強者はそういった負の遺産を払拭し、そのことをおおくのサッカーファンは「ドラマ」として記憶に色濃く刻んでいる。
CLのトーナメントにおいて、1stレグを0-2で落とし、2ndレグで逆転したチームはわずか3チームしかないようだ。
バルセロナは2012/13シーズン・ベスト16に、マンチェスター・ユナイテッドは2013/14シーズン・ベスト16に、そしてレアル・マドリー2015/16シーズン・ベスト8でなし遂げている。
白い巨人(レアル・マドリーの愛称)に至っては、クリスティアーノのハットトリックを達成し大逆転。そのままビッグイヤーまで勝ちとっている。
いずれも近年でのことだ。ユベントスが史上4チーム目になれるか否かは、アッレグリの戦術とチーム全員の勝利への執念。そして、揺るがない信念が必要となってくる。
現在ユベンティーニのおおくが愛情を寄せる“アトレティコキラー”クリスティアーノは、アリアンツ・スタジアムにおいて、どのようなプレーをみせてくれるか。
その道は厳しく険しいことは記すまでもないだろう。だが、アトレティコ戦2ndレグ終了後、バロンドーラーの少年のような弾ける笑顔を期待したい。
著者:J-Journal 山口 努