JUVENTUS JOURNAL 4周年企画「実況者から見たユベントス」後編
――今シーズンのユベントスはどう映りますか。
「攻撃陣と中盤をみてもコマはそろっていますし、守備ラインをみても『何年一緒にやっているの?』ってメンツですから、安定はするでしょうね。
ただ(ジャンルイジ)ブッフォンの穴は大きいように感じますね。精神面でかなり大きいように思います」
――各国のリーグを実況して、ユベントスと似たチームって永田さんの目からみてあるのでしょうか。
「ユベントスみたいなチームって、国内のライバルたちがちょっとやそっと努力して追いつける存在ではないように感じます。そうなるとバイエルン(ミュンヘン)が似ていますよね。
滅多やたらにお金を使わずにチームを強化しているところをみると、共通する部分は多いように感じます。
昨シーズンの欧州5大リーグって、クリスマスごろには優勝の行方がほぼ決まっていましたよね。
セリエAだけは、ナポリが頑張ってくれて、スクデット争いが最後までもつれていたので楽しかったです。
ただ、セリエA以外のリーグみたいな展開って、実況する側からすると結構ツライものがあるんですよ。
CL圏内争いや残留争いにフォーカスしていかざるをえないんですけど、やはり一番ワクワクさせてもらいたいのは優勝争いですからね(笑)
でもそれは裏を返せば、『一強』のチーム作りが成功している、ということでもあると思います。
プレミアリーグで言えば『ペップ・グアルディオラの要望にすべて答えて、2年間チームを任せるとこうなりますよ』というメッセージにも感じました。
バイエルンはユベントスと似たファミリー感があり、OBがチームを支えている。双方ともチームへの愛情を感じますね」
【了】
編集部山口努が、かねてより親交のあった実況者:永田実氏にこの企画を依頼し、実現しました。
「ユベントス・ジャーナルさんの読者に対して、僕で良いのでしょうか」と始まったインタビューでしたが、忌憚(きたん)のないご意見を聞かせて頂きました。
最後に永田氏より「読者は西岡(明彦)のほうが興味を惹くと思うんですよね」とご提案を頂きました。その実現を編集部としても切に願っております。
【永田 実】
株式会社フットメディア所属 http://www.footmedia.jp
大学卒業後、東京FMに入社。同社でアナウンサーとして活躍。
約10年間勤務するも、サッカー実況者への情熱が冷めやらず退社後、フリーアナウンサーの道へ。
現在、国内外問わず数多くの実況を担当している。
著者:Juventus Journal 編集部 山口 努