JUVENTUS JOURNAL 4周年企画「実況者から見たユベントス」後編
――クリスティアーノは選手として、どのように映りますか。
「『エゴイスト』という評価もありますが、僕はそうは思わないですね。仮にエゴイストだとしたら、レアル・マドリーでも、ポルトガル代表でもタイトルを獲れないはずですよ。
そして33歳のロナウドをユベントスが獲得することが、やっぱりユベントスらしく感じますね。
年齢にこだわってない。また、そういう選手たちが一花咲かせるじゃないですか。
(アンドレア)ピルロのときもよく覚えていますよ。ユベントスに来て、チームを勝たせて代表でも数年牽引する存在にまでなったわけですよね? 凄いなぁと思いますよ。
ロナウドと間近でプレーすることで、ディバラの進化にも期待したいですよね」
――そうですね。
「素晴らしい可能性を感じさせた選手、で終わってしまうのか、ネクスト・ステージに進める選手となるのか。今シーズンは大きいかもしれないですね」
――ユベンティーニにとって、今シーズンはディバラの成長も楽しみなんですが、やはりCL制覇を夢見ています。なかには「スクデットを獲れなくても、CL制覇を」なんて声も聞かれます。
「『スクデットいらない』って言えるのが羨ましいですよね。昨シーズン、ホームのベネヴェント戦を実況させて貰いました。
松原良香(まつばらよしか:元サッカー選手、現サッカー解説者)さんと僕でした。ベネヴェントは11連敗中で、ユーベは120周年記念シャツを着用した試合です」
Gazzetta TV――よく覚えています。FKで先制される試合ですよね。
「そうです。『このまま負けちゃったら事件だな』と思っていたら、後半しっかり逆転して、その後は流して勝ちきった試合です。ドウグラス・コスタを投入して流れが一気に変わりましたよね。
他クラブでレギュラーをとれなかった選手を、上手に使うのもユベントスの強みのように感じますね。
ビッグクラブって、そういうことあまりやりたがらないじゃないですか。やはりどうしても『旬の選手』を獲りたがる。
一方でユベントスは、ピルロもそうでしたし、バイエルンで出番がなかった(メディ)ベナティアを獲ってレギュラーにしたり、昨シーズンも(ブレーズ)マテュイディを獲ったり。
本当に抜け目ないですよね。その後はどうであれ、アウヴェスのときもビックリしましたよ。
年齢でみてないですよね。『そのときに出せるパフォーマンスでみている』というか。
ほかのクラブでレギュラーではなかった選手を獲得しても、“お下がり感”というものを一切厭(いと)わないですよね。勝利至上主義というか。
むしろユベントスに来てからのほうが素晴らしいパフォーマンスをみせていますよね。そういう卓越したスカウティングの目があるんでしょうね」