コラム:氷山の一角 シリーズ1
もちろん、ユベントスが完璧な「白」かと問われれば、ひいき目に見ても「白」ではない。そして「カルチョ・スキャンダル」とは、ユベントスの追放のほかに「ユベントス3巨頭」の排除も含まれているのは密かに囁かれている。
GMルチアーノ・モッジ、元代表取締役アントニオ・ジラウド、元副会長のロベルト・ベッテガの3人である。この幹部たちは揺るぎない地位を確立していた。それはサッカー界だけでなく、政財界にも影響を及ぼすほどだったという。
ご存知の通り、ミラン会長ベルルスコーニはイタリアの首相にまで登り詰めた稀有な存在である。そしてこうも語った。「イタリアといえば、マフィアとピザ。その次がACミランだ」
前途の3巨頭がどこに入るかは別として、ベルルスコーニにとっての「カルチョ・スキャンダル」は、まさに“肉を切らせて骨を断つ”改革だったとしたら、合点がいくのではないだろうか。
ミランはセリエBに落とされることはなかった。そしてユーベの3巨頭は“晴れて”「カルチョ・スキャンダル」を機にサッカー界からも政財界からも追放されている。
しかし、これはまだ氷山の一角である。
Sport Perugia次回は「カルチョ・スキャンダル」に一切関与しなかったとされるインテルナツィオナーレ・ミラノことインテルについて触れる。映画の中でも触れられているが、イタリア国内はおろか世界のサッカー界を揺るがした「カルチョ・スキャンダル」には名前がない。
インテルのティフォージこと“インテリスタ”から言わせれば、「関与していないから」と失笑を買うだろう。
だが、映画でも触れられるがスキャンダルの5年と数ヶ月後、公にインテルは「黒」と認められながら「時効」を理由に「無罪」を言い渡されている。
このニュースはこれまで日本にはあまり認識がなく、ユベントスだけが「黒」と断定されつづけた小さくない要因の一つだろう。もし「CERCA LA TUA SALA SU JUVESTORY.IT」で触れなければ、カルチョ・スキャンダルの本当の黒幕の存在は現在でも、筆者を含めた日本人ユベンティーノの妄想で終わっていたはずだ。
そして、筆者の友人のイタリア人(日本在住:5年)のユベンティーノから言わせれば「カルチョ・スキャンダルはインテルが仕組んだ」と語気を強める。どうやら、イタリア人ユベンティーニにとっては共通認識のようである。
そのことは次回で触れたい。
翻訳:Juventus Journal イタリア局 Norihito Miyagi
構成:Juventus Journal @JJ
著者:Juventus Journal 編集部 山口 努
コメント
この時受けた屈辱は忘れられない。
しかし、自分は『ユヴェントス』が
大好きだ。
一生涯、ユヴェンティーニとして
彼らを応援しつづけていく。
インテルの陰謀説は有名だしその後の人事を見ても疑わざる終えませんからね。
未だにユーヴェは灰色で降格、インテルは黒で時効は納得できませんね
ご拝読ありがとうございます!
次回作「シリーズ2」をお楽しみにして下さい。
宜しくお願い致します!