コラム:ピルロ・ユベントスがみせた小さな片鱗
2020/09/19
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
ノヴァーラ戦を5-0で終えたビアンコネーリは、スコア以上に現在3部にいるプロビンチャを蹂躙(じゅうりん)してみせた。
手厳しいことを指摘するのならば、高すぎるDFラインを何度か下げさせられたことは今後の課題のひとつになるはずだ。
それでも「ピルロ・ユベントス」は、創造性あふれるフットボールをみせてくれたのは誰の目にも明らかだっただろう。
ベースは3-5-2。アントニオ・コンテのフットボールを彷彿とさせるが、ジョゼップ・グアルディオラがバイエルン・ミュンヘン時代にみせたチームを彷彿とさせた印象が濃い。
基本は3バックなのだが、攻撃時にはCBが一枚になり、中央のCB以外はRSB、LSBと似た役割を担っているのが印象的だった。
今シーズンはアレックス・サンドロ、ダニーロの役割は増えるが、マタイス・デ・リフト、メリフ・デミラルの役割も同様に増えるはずだ。
攻撃陣をみると純粋なCFはいなかったものの、攻撃ではアクションフットボールとでも称するべきなのか。
両サイドに張り出したWBを巧みに使い、中から外、外から中、とにかく手を変え、品を変え、ノヴァーラのDFラインを翻弄したように感じた。
就任の記者会見で「ユベントスらしい姿」を公言したピルロ新監督は、その言葉の通り、ボールを失った選手が全力で襲いかかっていた。
ボールを奪われた選手は泥臭く、とくに責任感を持って相手に襲いかかるシーンだけでも、納得するユベンティーニは多数派のはずだ。
かつてイタリアでその名を馳せた中田英寿氏が現役時代、記者から日本代表戦の前日『明日はどのようなシステムで挑むのか?』と質問されたとき、以下のように答えた。