コラム:認知される存在への道のり
いつの世のサッカー界にも燦然(さんぜん)と輝くスターの存在がある。そのスターは先日、現役引退を発表した。パリ・サンジェルマンで頭角を現し、バルセロナに渡るとその才能は一気に開花した。
男の名はロナウジーニョ。
この才能の存在なくして、FWリオネル・メッシが開花したかどうか。その答えを知る者はいない。だが内気だったメッシをロナウジーニョのロッカールームで助け、練習でも現在のバルセロナの背番号「10」の成長を助けた。
兄弟のような仲睦まじさを感じさせる瞬間は、メッシがバルセロナでのトップチームの一員としてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で初得点を決めたとき、ロナウジーニョが真っ先に駆け寄って祝福したのを覚えているサッカーファンは多いはずだ。
ロナウジーニョを世界的なスターにしたのは間違いなくCLの存在だろう。コアなサッカーファンならば2004/05シーズンのチェルシーとの激戦を覚えているだろう。
そして2005/06シーズン、バルセロナを故・ヨハン・クライフ氏に率いられ初の欧州制覇を成し遂げた1991/1992シーズン以来となる快挙に貢献してみせた。決勝戦こそ得点は生まれなかったが、誰もが認める大会MVPだった。
Pleno.Newsこのときには日本のサッカーファンですらバルセロナの下部組織「カンテラ」の存在を知り、バルセロナの会員「ソシオ」の存在も知っていた。ホームスタジアムが「カンプ・ノウ」であることはクイズの初級問題のように知っていた。
たとえ世界史に詳しくなくともフランコ政権のそれを理解し、なぜレアル・マドリードを不倶戴天の敵として憎み、「エル・クラシコ」がなぜ伝統の一戦であるのかを知っていた。
なぜか。
バルセロナの魅せた美しいサッカー、ロナウジーニョの妙技、そしてカタルーニャの歴史に惹かれたファンたちが自力で調べたことは大きな要因だが、メディアの力に寄るところが大きいのではないだろうか。当時、民法のスポーツ番組の各局で「FCバルセロナ」を特集した。
先日、テレビ東京の人気番組『FOOT×BRAIN』でユベントスが特集された。ご覧になられた読者の方も多いことに思う。テーマは「名門ユベントス 黒字経営戦略 サッカービシネスを成功させる秘訣とは?」と銘打たれた。
番組は、世界最強リーグと謳(うた)われたセリエAは現在リーガ・エスパニョーラとプレミアリーグの後塵を拝している、と始まる。しかしユベントスだけはセリエA6連覇、コッパ・イタリア3連覇、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)直近3年間で2度の準優勝とこれまでの戦績を伝えていた。
コメント
地上波でユヴェントスを取り上げてくれて良かったです、大抵バルセロナですからね。
どうやって復活したかを分かりやすく説明してくれました
フットブレインに感謝