コラム:ユベントスが失ってはいけないもの
戦績だけでいえば、アッレグリのほうがわずかに勝っているといえるだろう。ただ、セリエAの“強度”が落ちているのは欧州の戦績をみても顕著だ。
とはいえ、スクデット8連覇は前人未到の金字塔になることは揺るがない。ユベントスだけが、イタリアにおいていささか“進みすぎてしまった”可能性も否定できない。
昨シーズンまでビアンコネーロのゴールを死守した守護神ジャンルイジ・ブッフォンは8連覇が決まると自身のTwitterで次のように述べた。
「8年間の努力、決意、ディティールへの配慮、情熱 =イタリアの頂点に8年間。
みんな、苦難を乗り越えていけ!
そして祝おう、何故なら君たちはファンタスティックなストーリーを刻んでいるんだからね!!」と我が身のことのように喜んだ。
ブッフォンやアレッサンドロ・デル・ピエロ氏がいた7年前ほどの歓喜は、もう、決して訪れない。
それは日本代表がまだみることのなかった時期のワールドカップ出場に似てはいないだろうか。
出場してからはそれが「ノルマ」になり、いつしか「当たり前」になってしまった。だからこそ、今シーズンこそは「CL制覇」を現実のものとしようとした。
昨シーズンのメルカートが「ビッグイヤー獲得のためにクリスティアーノ獲得」ならば、今夏はどのような動きをみせるか。
来シーズンに向け、アニェッリ会長はどのような決断を下すのか。その判断を楽しみに待つしかない。
FutisForum2去っていった守護神がいて、生え抜きのMFクラウディオ・マルキージオも去り、今シーズンでDFアンドレア・バルザーリも去る。
ある人にとっては好きなユベントスではなくなっていくだろう。だが、どんなにユベンティーニに愛された選手たちが去っても、ビアンコネーロはトリノに燦然と在りつづける。
暗黒期をしるティフォージたちにとっては、ずいぶんと贅沢な悩みを抱ける時代になった。
新たにユベントスを好きになったティフォージたちは、このもどかしい気持ちを是非とも覚えておいて欲しい。
こんなに贅沢な悩みはトッテナム・ホットスパーとリバプールのファンでも味わえない。だからこそ、現在の煮え切らない状況を来シーズンに繋げていく価値がある。
そのための今シーズンだとしたら、「来シーズンの戦い方」は序盤から目が離せないものになる。
アッレグリの去就も、選手の獲得も、放出も、現在の「ユベントス王朝」を築き上げた、会長、パベル・ネドベド副会長、ファビオ・パラティッチCFO(チーフ・フットボール・オフィサー)の決断を待ちたい。
その礎を築いたジュゼッペ・マロッタを失ってから、迎える初の「夏のメルカート」開場はすぐ目の前に迫っている。
著者:J-Journal 山口 努
コメント
キエッリーニもいなくなったら寂しいな
新たな歴史が生まれるとも考えれるが…
まさにこう言う記事を待っていました。
最近のコメントは見るに耐えないものがありましたから。
批判や、希望は、あると思いますが、まずはユベントスと言うクラグを最大限にリスペクトしてコメントを記入してもらいたいです。イコール、選手、監督、にもリスペクトが必要だと思います。
批判や厳しい言葉も時には必要かもしれない、ですがやはり最大級の愛とリスペクトをユベントスに捧げられたら良いなと
どんなに困難があろうと、誰が監督だろうと、負け続けても、セリエBに落ちようとも。
これだけ勝てるようになった時でも
何も変わらず。信じましょう!
>ロナウドはあらゆる面において屈強だった
フィジカルではねプレー面ではそうだったとは思えない
今季は間違いなく上位陣が軒並み低調だった事に大きく助けられてる
得失点見てもそれは明らかだ
「ロナウド頼み」になってしまったんじゃなく
「ロナウド頼み」にしたんだろ
組織で戦うのがユヴェントスだったのに個人に拘り過ぎた
彼にゴールを取らせるためにチームが存在してるような状態だった
彼はゴールと言う面において桁違いだが
プレー面においては個人依存して周りのプレーを生み出せる選手ではない
それが今季はっきりした
それだけでも収穫だし来季は同じ間違いを犯さないで欲しい
ロナウドはあくまでもチームのフィニッシャーという駒として世界最高なのであって
チームを支配する王様として世界最高なわけでも一流なわけでもない
なおアシスト数もトップな模様。
ボール集めてるから当然か?
そら集まるだろ21G8Aもしてくれんだから。
そもそもチーム力が落ちたのはクアドラやコスタはじめ負傷者が多発したことでロナウド頼みの戦術に転換したことだってのはシーズン通してみたらわかると思うんだけどな。
ライバルであってほしかった
ミラノ勢に足りなかった長期強化戦略を続け、ナポリローマに足りなかった資金力をスタジアム建設で収支を上げた。
どっちもフロントの叡智の賜物ですからね。
周りが落ちたから勝ててるということでなく、
フロントを含んだ総合力がどこよりも高かったというまでのこと。
中長期の視点で、かつ中立的に的を射た記事だと思う。
そう、私はユベンティーノ。
全くの同感です。拝読した感想として全く同じことをコメントしようとしていたところです。客観的な視点で書かれています。その上で応援していかねばと思わされるコラムです。
ユニフォームの縦縞も失ってはいけないものと思う
なるほど。