コラム : 現時点で見えてきたユーベの課題
8月31日、セリエA第1節キエーヴォ戦より2014-2015シーズンが開幕した。
ユベントスは、ここまでセリエAとチャンピオンズリーグを合わせた8試合を戦って7勝1敗。現時点、セリエAにおいては6節が終了して全勝で単独首位であり、今季素晴らしいスタートを切ったといっていいだろう。さらに加えると、セリエAの試合ではローマに決められた2得点(1得点はPK)以外の得点を許していない。ローマ戦を迎えるまでは無失点の5連勝を挙げていたのだ。ユベントスがいかに攻撃と守備のバランスが良いのかを感じさせられる成績である。
しかし、幸先の良いスタートを切ったものの、現時点のユベントスにも確かに課題が見えている。
それは攻撃力の不足である。
ここまで8試合の合計シュート本数は133本で1試合平均16本、その内枠内シュート本数は47本で1試合平均6本となっているのに加えて、合計得点数は14点で1試合の平均得点は1.75%だ。つまり16本のシュート放って1.75本しか決められていないことになる。これはシュート本数を100%とすると決定率がわずか1割程度という現実を表している。勝利を挙げてきた武器はまさしく堅固な守備であり、守ることによりユベントスの攻撃のチャンスを増やしてきたといっていい。
しかし、堅固な守備を武器に勝利を目指した結果敗戦を喫してしまったアトレティコ・マドリード戦(10/2)を振り返れば、いかに攻撃が必要不可欠であるかを感じさせられてしまうだろう。アトレティコ・マドリード戦では、アッレグリ監督が採用した作戦であった高いボール支配率、つまりポゼッションをもって相手の攻撃のチャンスを潰そうと試みていた。しかし、結果的にユベントスはボール支配率61%という成績を残しながらも、試合を通してシュート本数わずか5本、枠内に飛んだシュートは0本であった。アトレティコ・マドリードのような強豪がひしめき合うチャンピオンズリーグに今季は重点を置いているが、このような戦い方を継続した場合厳しい結果が待っているかもしれない。また、テベスが今季多くの得点を挙げているが、過密日程が続くシーズンの中でテベスだけに依存していくことはできない。ジョレンテやモラタ、またジョビンコやコマンにも同様の役割が求められる。ジョレンテに関しては昨シーズン多くのゴールで勝利に貢献してきたのとは反対に、今季は未だ得点を挙げられていないことがさらなる心配な要素となっている。
まだわずか8試合しか終えていないため、今後より一層長所や短所を含めたはっきりとしたユベントスの姿が見えてくるだろう。現時点では攻撃のチャンスを活かせずもったいない結果が出ているといっていい。総合的な攻撃力の改善が強豪相手の戦いや過密日程の解決策になるかもしれない。また、それを原因として、攻撃面での補強の必要性から様々な選手の獲得を計画していることにつながっていることも有り得る。