特集:ユベントスはなぜシーズン序盤に失速した? 今季の順位予想は?
――なぜそこまで失われてしまったのでしょうか? マウリツィオ・サッリやピルロ、それともフロントが原因でしょうか?
山口「アッレグリ監督って、基本負けないフットボールをするって認識があるので、引き分けがつづいても負けはないだろ、という予想はありましたね」
「サッリ監督でガラッと変わったのかな、と思います。(マリオ・)マンジュキッチも(エムレ・)ジャンも(戦力外の扱いをされて)『それはないでしょ』と思ったでしょうし、アッレグリ支持派もそのシーズンでいなくなってしまった」
「徐々に大事にしていた何かを失ってしまったと思いますね。誰かが悪いって個人的に好きじゃないんですよね。言うとすれば全員が悪い」
――アスプロマヴロ(以下、アスプロ)さんは、いかがですか?
アスプロ「アッレグリがスロースターターであることからも、予想外ではなかったです。あと、スロースタートになったのは、アッレグリだけの問題ではないと思ってます」
「ウディネーゼ戦(第1節)は、2点リードしていて個人的なミスで同点にされてますし、同じようなことがヴェネツィア戦(第17節)でも起きています」
「問題は2年前からサッリが言っていたように、後半に起きるブラックアウトが問題かなと。この集中力が切れる時間帯が改善されていないのが、やはり一番の問題だと思いますね」
「その背景にはユベントスでプレーするには、メンタリティが足りてないプレイヤーが多いことが起因していると思います」
「そういう選手たちが、例えば、リードした状態で後半に挑み、『まあ前半みたいにプレーすれば勝てるだろう』といった気のゆるみから集中力が切れる…」
「これをいつまで繰り返せばいいのか…。3年間ずっと改善されてこなかったツケを今も払っているような気がします」
――メンタリティ…。それを根本から取り戻すには(アントニオ・)コンテ時代まで戻ることになりそうですね。
アスプロ「そうですね! これは極論になりますが、サッリを連れて来るのではなくコンテを呼び戻し、あのシーズンに(ロメル・)ルカクを獲得していれば、今のインテルはなかったのかなと(笑)」
「おそらく、あの時に大きくメンバーを変え、大きく若返りを図るのではなく、同じレベルのクオリティを維持しながら、コンテの下、新たなユベントスらしさを再び伝え直すべきだったと思います」
それにしてもスロースタート過ぎる気もしますが、これは想定内ということでしょうか?
アスプロ「例えば、昨シーズンですが、今シーズンより1勝多い、11勝2敗6分で4位で前半戦を折り返しているので、自分はそこまで差があるとは思えないです」