コラム:ユベントスが迎える一時代の終焉
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
現在、アンドレア・ピルロ監督の将来が盛んに議論されている。
スーペルコッパ・イタリアーナ、コッパ・イタリア、来シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得した驚異の“新米”監督でも、だ。
ユベンティーニよって考え方はさまざまだが、ビアンコネーリとは守備あってのクラブだと筆者は思っている。
そのクラブが16試合連続失点という不名誉な記録で、今シーズンを終えた。
ユベントスはこれまで多くのタレントを抱えても、守備の堅固さは欧州屈指で知られたクラブだったはずだ。
もし、ピルロ監督が更迭されるのならば「チーム作りの根幹に失敗した」とクラブ首脳陣が判断した、と考えるのが自然だろう。
筆者はビデオではなく、テレビ中継で初めて目にした1990年代後半のビアンコネーリの守備陣の屈強さをいまだ忘れられない。
Mundo Deportivoチロ・フェラーラ、パオロ・モンテーロ、マルク・ユリアーノが中央を固め、アレッサンドロ・ビリンデッリ、ジャンルカ・ペソットが脇を固める。
ビルドアップという言葉が今ほど聞かれなかった当時のフットボールシーンでも、その屈強さに夢中になった。
実際、このレジェンドたちのほとんどがセリエB降格の憂き目に遭うまで、ユベントスのために戦い、数々のタイトルをもたらした。
レジェンドたちが年齢を重ね、チームを去ると守備に一貫性が感じられなくなった。そして、クラブはいわゆる暗黒期に突入する。
そもそもフットボールとは、守備が強いチームがタイトルレースを最後まで生き残るものだと筆者は考えている。
アントニオ・コンテが古巣に指揮官として招かれた2011/12シーズン、“BBC”は開発された。
“B”のひとり、若手だったDFレオナルド・ボヌッチは現在、すっかりベテランと呼んでも差し支えない年齢だ。
tuttosportDFジョルジョ・キエッリーニの来シーズンは、不透明な状況にある。アンドレア・バルザーリが現役を退いた2018/19シーズン、実質“BBC”は終焉を迎えた。
今でこそ“BBBC”と呼ばれているが、いつの間にかGKジャンルイジ・ブッフォンが加わった印象が濃い。だが、その恩恵もあり“BBC”は今シーズンまで在りつづけた。
今後、クラブの「伝説」として語り継がれるであろうユニットは、今シーズン限りで正式に終止符を打つ。
ユベンティーニにとって思い出深い“BBBC”だが、当の選手たちにとっても、忘れられないユニットだったはずだ。
そう感じさせるエピソードがある。
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