コラム:ユベントスのユニフォームに刻まれた3つのステッラ
2021/05/11
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
イタリアの盟主には、いまだ解決できていない問題がある。
スクデットの獲得回数だ。
割愛し、平たく記すなら「ユベントスが獲得したスクデットは、36回か38回か」という歴史になる。
そのことを議論するつもりはないが、ビアンコネーリのシャツに「3つ目」のステッラ(星)が“刻まれた”ときの感慨を忘れられないユベンティーニは少なくないはずだ。
そもそも、それまで2つのステッラをユニフォームに刻むことを許されたのは、カルチョにおいてユベントスだけだった。
そこに3つ目のステッラが刻まれ、今シーズンまで勝ちつづけてきた。
失ったスクデットをユベントスに奪還してくれたのはアントニオ・コンテ監督だったが、スクデットを奪ったのもこのイタリア人指揮官だった。
なんともドラマティックな展開で、センチメンタルな気分にさせられるユベンティーニも少なくないだろう。
そして、「コンテ・インテル」の後塵(こうじん)を拝(はい)する格好となった、現在ユベントスを率いるアンドレア・ピルロ監督は、解任の危機にある。
末恐ろしいほどの才能を発揮する試合もあれば、“チャンネル”を間違えたかと思ってしまうほどの“体たらく”な試合をする日もあったのは、記すまでもないだろう。
監督のキャリアそのものをスタートさせた“新人”は、現在、突如としてチームとしての方向性を見失っている。
それまでも、首をかしげる試合展開をみせた次戦には、見事な復活を遂げてきたのがこれまでの「ピルロ・ユベントス」だった。
でなければ、バルセロナ、ミラン、ナポリ、そしコンテ監督が率いた今シーズンのイタリア王者に勝てるわけがない。