コラム:ユベントスのアイデンティティを蘇らせたカピターノ
2021/02/16
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
フットボール界にはいつの世も「終わった選手」と囁(ささや)かれる選手がいる。
たとえば、2010/11シーズンの冬のメルカートでドイツからイタリアに帰還したアンドレア・バルザーリは、そのように囁かれたジョカトーレだった。
現役を引退し、コーチを退いても、現在でもユベンティーノから絶大な人気があり、現在のビアンコネーリを築いたひとりだと筆者は考えている。
アントニオ・コンテ政権ではCBとして支え、「先輩後輩」の間柄だったマッシミリアーノ・アッレグリ政権下では本職のCBに加えRSBを任されるなど、大車輪の活躍をみせた。
「BBBC」の愛称のひとりとして賛辞をおくられ、名実とも「堅固なユベントス」を象徴した。
その「C」のDFジョルジョ・キエッリーニは今シーズン、とてつもない存在感を発揮している。
「B」のひとりだったGKジャンルイジ・ブッフォンが、パリ・サンジェルマン(PSG)に移籍した2018/19シーズンから、キエッリーニはカピターノを任される。
だが、度重なる怪我に苦しみ、悲願のビッグイヤー奪還を目指したUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ベスト8・アヤックス戦では1stレグ、2ndレグともに負傷離脱。
チームはDFマタイス・デ・リフトなど、次世代のフットボール界を牽引するスター選手たちを擁したアヤックスに2戦合計3-2で敗戦。大会を去ることになった。
大会ベスト16では、アトレティコ・マドリードに奇跡の大逆転勝利を飾ったビアンコネーリだが、その守備を支えたのは紛れもなくキエッリーニだった。