コラム:世に知らしめたユベントスの移籍
2015/07/13
その時代を知るアントニオ・コンテがチームを率いていたとき、MFクラウディオ・マルキージオをベンチに座らせてまでMFポール・ポグバを先発させ育てたとき、ジダンと重ねてみたユベンティーノも少なくはないだろう。
実際、ポグバはレジスタの位置からセントラルMFに“移動”すると、ここから怪物ぶりを披露し始めたのは周知のとおりだ。
パヴェル・ネドベド入団のときはより鮮烈だ。
当時ラツィアーレから絶大な支持があったチェコ人を「とにかく我々の誠意を見にトリノまで来てくれ」と訴えた。プライベートジェットまで用意した極秘の訪問だったはずが、モッジ自らがマスコミをかき集め、タラップから降りてくる瞬間を狙わせた。
卑劣極まりないやり口だが、「俺のお陰でバロンドールを獲れた」と素知らぬ顔を現在でも貫きとおしている。
下品で冷徹だったかもしれないが、チームのポリシーを守り、伸びる選手とフィットする選手の見極めが桁外れだったのは手がけた仕事によって証明されている。
ひょっとしたらモッジほどのGMは、今後のサッカー界に現れないかもしれない。
そんなモッジは「テベスが去るのならカバーニを獲れ」と進言している。
選手を移籍させるなら同等の選手を獲得する、というのはメルカートの鉄則だ。ここまで積極的に夏のメルカートで成果をあげているユベントスだが、獲得した選手たちがフィットする保証はない。
現GMを務めるジュゼッペ・マロッタは“先輩”のモッジほどの派手さはないが、手堅い補強で現在のユベントスを作った一人だ。コンテをユベントスに招き、現在のサイクルの礎を作ったのを忘れてはならない。
著者/Juventus Journal 編集部 山口 努
コメント
とても人柄で口説くタイプには見えないからよほど交渉力があるんでしょうねぇ。
昨季の成績も知らないチームに移籍を決めて、優勝させちゃうマラドーナもおかしいけど(笑)
マラドーナがセリエに来た時はまだほんの子どもでしたが、
父親がうるさかったのを覚えています