コラム:「サッリ・ユベントス」の現在地
2020/03/19
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
マウリツィオ・サッリのフットボールをみていると、つい野村明弘氏との対談を思い出す。
「貼られたレッテル」からの脱却、「大人になった」と感じさせる手腕、一番印象に残っているのは「ヨーロッパでの戦いに合っているのでは?」の言葉だ。
どのスポーツの監督もファンから「信頼」を勝ちとるのは、勝利でしかないのが通例ではないだろうか。
だが、どんな名監督でも浮き沈みはある。もし、それがなければスポーツそのものは至極つまらないものになるはずだ。
では、ユベンティーニがサッリのフットボールに疑問符がつき始めたのは、いつだろうか。
ラツィオに今シーズン初黒星を喫したとき。スーペルコッパ・イタリアーナを獲り損ねたとき。ナポリに、エラス・ヴェローナに敗れたとき…。
極めつけはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ベスト16でのオリンピック・リヨン戦1stレグにおいて、0-1で敗北を喫したときではないだろうか。
すべてがチグハグに感じ、DFマタイス・デ・リフトの治療中に失点したのは「運」だけで片付けられない。