コラム:比較されるユベントスの元CEOと現CFO
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
「隣の芝生は青い」という表現を、誰もが見聞きし、知っている言葉のはずだ。
今冬のメルカートでユベンティーニの“感想”をみていると、上記の表現が当てはまるのではないだろうか。
意見は苛烈を極める。ジュゼッペ・マロッタを万能とし、ファビオ・パラーティチCFO(チーフ・フットボール・オフィサー)を蔑(さげす)む“感想”が顕著だ。
たしかにマロッタは優秀かもしれないが、万能ではない。もちろんパラーティチは、決して無能ではない。
無能なCFOがDFメリフ・デミラルの早期獲得や、DFマタイス・デ・リフトの獲得などできただろうか。
今夏のメルカートを最も賑(にぎ)わせたクラブのひとつは、間違いなくユベントスだろう。
パラーティチはこの有能な若い2人のディフェンダーを獲得した。“二兎追う者が二兎得た”状況である。加えてDFクリスティアン・ロメロも獲得している。
いうなれば世代交代が叫ばれる中で世界有数の才能を“三兎”も得ており、守備における「未来」をクラブとチームにもたらしている。
一方、パラーティチの師匠筋にあたるマロッタは、インテルを見事なまでに復活させた。これは紛れもない事実である。
昨夏、ビッグネームを複数名獲得に成功。アントニオ・コンテの招聘。その甲斐あって、今シーズンのカンピオナートでは彼らの“古巣”と激しいデッドヒートを繰り広げている。
この復活劇は、元ビアンコネーリのCEOなしには語れないだろう。
だが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)に出場したイタリア勢4チームのなかで唯一、グループステージで敗退したことは記しておきたい。
彼らには「カルチョ復権」のためにも、是が非でもUEFAヨーロッパリーグ(EL)のタイトルをイタリアに奪還してもらいたい。
そのマロッタを擁するインテルはこの冬、トッテナム・ホットスパーからMFクリスティアン・エリクセンを獲得し、メルカートを賑わした。
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