コラム:ユベントスで試されるデイヴィッドの信念

その努力の末、18歳の誕生日を迎えたデイヴィッドは2018年1月、ついにヘントのリザーブチームと契約を結ぶと、ベルギーの地でもその才能を遺憾なく発揮。
順調にトップチームへと昇格を果たし、プロとして迎えたファーストシーズンで14ゴールを記録。さらに翌シーズンも23ゴールと驚異的なペースで得点を重ねていった。
「自分が最も誇りに思っていることは、機会を待ち続け、本当に欲しかったもの…つまり欧州でプレーするチャンスを追い求める勇気があったこと」
ヘント移籍をこのように振り返るデイヴィッドはその後、アーセナルやマンチェスター・ユナイテッドといったビッグクラブから声がかかる中、2020年、自身のさらなる成長のため、若手育成に定評のあるリールへと移籍する。
そこで、在籍5シーズンすべてで2桁得点(直近3シーズンは20ゴール超え)を上げ、現在のユベントス加入へと至った。
しかし、実はリールでの1年目も、彼は今のトリノと同じような“沈黙”の中にいた。
当時のクラブ史上最高額である3000万ユーロでリールへと加入したデイヴィッドだが、2020/21シーズンは開幕から10試合で不発。

移籍金に見合わぬ活躍に批判の声もあがったが、エンジンがかかった後半戦では、13ゴールと大爆発した。
結局、最終節でもゴールを決めて、チームを10年ぶりとなる通算4度目のリーグ優勝に導いている。
恩師のエル=マグラビー氏はデイヴィッドについて「インドア派な性質を持っている」と語るが、適応に時間を要してしまうのは、彼のそんな静かな性質ゆえだろうか。
しかし、“アイスマン”の通り名よろしく、冷静にゴールネットを揺らしたセリエA第19節サッスオーロ戦での一撃は、確かな潮目の変化を感じさせる。
この試合ではゴールのみならず、ファビオ・ミレッティのゴールもお膳立てし、マン・オブ・ザ・マッチにも輝いた。
さらに、続く第20節のクレモネーゼ戦でもネットを揺らすなど、まるで憑き物が落ちたような印象を受ける。
ストライカーの不調を治せる薬はゴールのみ。
今シーズンもすでに後半戦に突入したが、リールでの一年目のように、不振を嘆く周囲の雑音をその冷気で凍りつかせることができるか。
ヴラホヴィッチを長期離脱で欠く今、アイスマンの真価が問われる。






