コラム:ユベントスで試されるデイヴィッドの信念

著者:Juventus Journal 編集部 座間 遼祐
「ここにいる全員が自分を支えてくれている」
そう語るのは、ついひと月前に「チーム内でいじめを受けている」という根も葉もない噂を流されたジョナサン・デイヴィッドだ。
ルチアーノ・スパレッティ監督就任以降、右肩上がりに調子を取り戻してきているユベントスにおいて、ただ一人、初挑戦となるセリエAへの適応に苦しむストライカーは、現地メディアが数字を稼ぐための格好の“エサ”にされた。
「内向的な性格で、言語の壁にも苦しむデイヴィッドはクラブ内で孤立させられている」
「チームの食事会にも招待されず、こういった環境が選手本人のパフォーマンスを悪化させている」
「高額な年俸に加え、チームのエースであるドゥシャン・ヴラホヴィッチをクラブから追い出す存在」
そういった根拠もない噂は悪事千里を走るかのごとく、瞬く間にSNSという大海原を超えて、世界中に拡散された。
翌日、このネガティブな話題を否定するように、主将のマヌエル・ロカテッリやロッカールームのリーダーであるマッティア・ペリンは『Instagram』でデイヴィッドと笑顔で映るツーショット写真を投稿。

またデイヴィッド本人も同様に、自身のストーリーズを更新してこの一件に歯止めをかけようとしたが、「時すでに遅し」だった。
ゴシップネタというのはインパクトのある部分だけが人々の記憶に残り、その他の細かい事情については誰も興味を示さないのが世の常なのだから…。
実際、不調が続くこのカナダ人ストライカーには、多くのユベンティーニがフラストレーションを溜めていたことは事実だ。
周囲との連動を得意とするプレースタイルであることを考慮したとしても、周りに気を遣っているのか、はたまた自信を失っているのか。
ボックス内でさえシュートよりもパスを優先するような消極的なプレーに批判は集中。
リールで5シーズン連続2桁得点を記録した当時の姿は、もはや見る影もなかった。
しかし、彼にはここで食い下がるわけにはいかない理由がある。
入団会見ではユベントスのことを「最も望んだクラブ」と語ったデイヴィッドだが、あれは単なるリップサービスではない。
フットボール不毛の地とも呼べるカナダで少年時代を過ごした彼は、ただひたすらに欧州ビッグクラブでのプレーを夢見て、その才を磨いてきた。





