コラム:快晴のロンドン
リヒトシュタイナーは今年34歳になり、アサモアは今年の12月で30歳になる。移ろいゆく時の中で、どんな名選手も怪我や衰えには勝てない。年を追うごとに両者とも出場機会を奪われ、現在に至る。ユベンティーニの望む残留とクラブの血の入れ替えは切っても切れない関係にある。
しかし、その矢面に立たされている両雄がユベントスを2シーズン連続となるCLベスト8進出に導いたのは少数派の意見ではない。今後もCLスパーズ戦は2人のベテランなくして語れないはずだ。
コンテが礎を築き、そのメンタリティを受け継いだ選手たちはこれまで櫛の歯が欠けるようにユベントスを去っていった。CBレオナルド・ボヌッチが去り、今シーズン終了後もユベンティーニを悲しませる報告は予想にむずかしくない。
ラストシーズンを予想される選手たちがロンドンでみせた躍動は、これからユベントスに残る選手たちにとっても、ユベンティーニにとっても色濃く残るものになるはずだ。仮に、彼らのこの試合での活躍を「伝説」にするには悲願の欧州制覇でしか、ない。
Eurosport彼らは国内のすべてを勝ちとった功労者であり、同時に成功者でもある。現在世界屈指のFWハリー・ケインを沈黙させ、“次世代”を席巻することが予想されているマウリシオ・ポチェッティーノ率いるスパーズを破ったユベントスには、ふたたびサッカー界のスポットライトが当たっている。
それでもユベントスは、今大会の優勝候補の最右翼ではない。欧州制覇までの道のりは、今後も険しさを増していくはずだ。しかし、窮地に陥ったとき。スパーズ戦2ndレグのベテランの輝きが脳裏をよぎるだろう。
親子3代つづくスパーズファンの旦那さんは、この試合のスコアを「2-1でJUVENTUS」と予想した。そして「スパーズは強いよ。でも経験がまだまだ」と預言者のように試合を当ててみせた。
だが、さすがにその「経験」の中にリヒトシュタイナーとアサモアの名前までは上がらなかった。ベテランの域にいる両雄は、ユベンティーニですら抱いたネガティブな思い込みを鮮やかに覆してくれた。
試合翌日。「年中曇りの街」だと思い込んでいたロンドンは、前日よりも雲はあったがこの日も快晴だった。
著者:Juventus Journal 編集部 山口 努
コメント
世代交代はどこの世界でも必ずある。
ユーベでキャリアを終えて欲しい選手は過去にも沢山いたけど、それが叶うのは極僅かなのが現実。
長年ユーベに貢献してくれた前バンディエラでさえ、喧嘩別れでは無いとはいえユーベでキャリアを終える事は出来なかった。
今、まさにB落ちの時に残ってくれたジジを含め、その後6連覇に貢献してくれたレジェンド達が一気に退団、引退の可能性がある。
そしてイタリア人も随分と減り、ユーベも世代交代をする時が来てるのかも知れない…が、残念ながら勝者のメンタリティやユーベ魂を継承する若手が出て来てるとは思えない現状。
絶対に避けられないこの問題…果たしてどうなるやら…
貢献してくれて来た選手たちが退団していくのは、競争力の維持のためと分かっていても胸を引き裂かれる思いです。 チームへの愛着を口にしてくれる選手であれば尚更つらい。 でも、避けられないことだと思うし、必要なことなんだろう。 ならば、せめて若い選手たちが彼らベテランから一つでも多くの事を学んで、ユベントスの精神とか魂のようなものをしっかり継承していって欲しい。