コラム:氷山の一角 シリーズ2
【2005年1月10日】
当時のインテル会長マッシモ・モラッティとパオロ・ベルガモとの会話。前日に行われたサンプドリア戦で、3−2とインテルが逆転した試合について。
ベルガモ(以下:B)「彼らは良い仕事をしたね。アシスタントレフェリーも含めて」
マッシモ・モラッティ(以下:M)「(審判団は)素晴らしい。最後に彼らにもそう伝えたよ」
B「ん〜」
M「その話は別にしても、彼らにはとても好感が持てる」
B「でしょう」
M「最後に彼らに『本当によく見ていたね』と伝えた。彼らに2度会ったんだが、1度目は『よく見ろ、なんて笛を吹いているんだ』と言ったんだけどね(笑)見ての通り、我々には見慣れた光景だ」
B「しかし、見てもらえれば少なからず、我々としては当然の仕事だったと言えるだろう。我々はいつでも自分達の仕事をしようと試みてる。けれど監督からもね……」
M「それは確かだね」
B「あなたは基本的に監督や、恐らくファッケッティとも話すでしょうけど…… 。雰囲気を作り出すことですべてが簡単になる。選手も少なからず信じていたし、全員が一緒になって信じていたということは疑いようがない。そこが重要だ」
※インテルの3点目。FWマルティンスが抜け出して、FWクリスチャン・ビエリにアシストをしたシーンについて
B「マルティンスが飛び出したときのDFとのコンタクトは、確実にノーファウルだった。そこが論点になっているけど、もしかしたら吹いていたかもしれない。マルティンスが相当相手を押していたら審判は吹いただろうね…」
M「とにかく素晴らしかった。マルティンスのおかげで良い試合結果になったよ。信じられないね」
※そして、2日後に控えていたアウェイでのコッパ・イタリア・ベスト8、ボローニャvsインテルについて
B「ファッケッティ会長(前途)とは話をしたよ。私と彼がお互いに自然と分かりあっている誠意を確認するためにね」
「しかしながら、グループ(リーガのこと?)は、私たちがルカ・パランカ(審判)とマルコ・ガブリエレ(審判)のために行った仕事をとても評価していた」
「(八百長の疑いがかけられていた)彼ら2人は再び戻ってきて、今は良い仕事をしている。だから私はコッパ・イタリアで1人をインテルの試合に、もう1人をミランの試合に付けることを考えた」
M「OK」
B「我々は、彼らに良いイメージを与えたいと思っていたんだ」
M「そうだね」
B「ファッケッティは私に対して、『同意している』と言っていたよ」
M「大丈夫。水曜日(ボローニャ戦の日)は、試合前に(主審に)会いに行くよ」
FC Inter 1908B「それは彼らにとって喜ばしいスタートになるだろう。このグループ(審判団)は、この2人の件でとても苦しんだからね。彼ら2人は真面目な人間にも関わらず、意志とはかけ離れた出来事に巻き込まれてしまっていた。私はそう考えていたんだ」
B「私は言ったよ(審判2人対して?)。ミランはいまのところ、ひとつのチームとしての道を歩んでいる。そしてあなたたち(インテル)は、魅力的なチームになるための方法を形作っている最中だ」
「常に私を信頼してくれている。ただ結果が出ないときもある。それが何故かは誰にもわからない。だからこそ、私は満足できるまで全力を尽くしている」
M「感謝するよ。もし必要なら、水曜日(試合の日)は私も下に(ドレッシングルーム近辺)降りるよ」
B「会長が直接挨拶をしてくれたら、彼にとってそれ以上のことはない」
M「彼は復帰してから最初の笛でしょう?」
B「いや、もうセリエBでは吹いた。ただ我々は、セリエAに送りだす前に、少し落ち着いていてプレッシャーの少ないコッパ・イタリアを担当させようと思った。だから私は、あなたたちの試合にガブリエーレを担当させた。もちろん、2人のアシスタントレフェリーについてもね」
M「OK。それは良いアイディアだ。ガブリエーレは常に良いレフェリングをしている良い審判だ。とても規則的で、これまでに一度も異論はなかったよ」
B「そう。あなたたちと、我々は素晴らしい試合をしたと言わなけれならないね」
M「いやいや、彼が異論を言われるようなことは一切ない、と言う必要がある」
B「全くもってその通りだよ」
M「まあ素晴らしい。試合前に、とにかく復帰を祝福しにいくよ。」
B「まず、あなたたちにとってもより落ち着いて見れる、手助けになるセリエBの試合を見てみよう。約束ですよ(笑)」
M「ああ、私からもね(笑)」
以上となる。