コラム:アッレグリ監督が求めたユベントスの変革
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』は5月22日、興味深い記事を掲載した。
「ユベントスの大改革」と銘打ち、現在のチームで来シーズンから始まるプロジェクトに“必要な”メンバーは「10人のみ」という内容だった。
うがった見方をすれば、“10人以外”は「及第点を与えられなかったジョカトーレ」とも考えることもできる。
さらにいえば、マッシミリアーノ・アッレグリ監督は昨シーズン早々に10人以上のジョカトーレを「見限っていた」可能性も否定できない。
アッレグリ監督は今年3月、今シーズンのユベントスを象徴するような興味深いコメントをアメリカメディア『GQ』に述べている。
『自身の考えるカルチョ』について問われると「フットボールとは芸術であり、生まれ持った才能が大きく影響を及ぼすのは間違いない」
「それでも、誰もが向上することができるのはたしかだ」
calciomercatonews「しかし、下手な者があまり下手ではないジョカトーレになれても、いくら頑張ったところで絶対に優れたジョカトーレにはなることはできない」
「そして、カルチョには無視できない心理学的要素、人間的要素がある。選手の調子に波がある理由はなぜだと思う?」
「それは、我々が人間だからだ」
「すべてのプレイヤーが同じなわけではないし、今シーズンにできたことが、その他すべてのシーズンでも同じように巧くできると考えることはできない」
「それから、カルチョの知識がある者ならどこでもプレーすることが可能である」と述べている。
マックス(アッレグリ監督の愛称)が抱く「ジョカトーレ像」と、選手たちにポリバレントな能力を求める監督の指向性が伺えるコメントだろう。
このコメントだけを注視すると、マックスは昨シーズンの開幕直後はさぞ鬱屈(うっくつ)した気分でいたのではないだろうか。
tuttosportまず、FWクリスティアーノ・ロナウドの退団をなんとなくでも知っていただろう。
そして、メルカートの閉幕直前で残されていた時間も限られており、最悪の状況で昨シーズンをスタートしたはずだ。
また、筆者の記憶が正しければ、アッレグリ監督は今シーズン「スクデットを目指す」という類のコメントを一回も発していないと思う。
つねに「4位を目指す」と発言し、敗戦やドローに終わった際、特定の選手をスケープゴートにしたこともなかった、と記憶している。
その胸中は、マックス本人しか知る由もない。
そして昨冬のメルカートこそ、アッレグリ監督にとってチームをテコ入れできる“チャンス”だったはずだ。
「FWドゥシャン・ヴラホヴィッチとMFデニス・ザカリアが獲得できるのなら…」という前提でジョカトーレの売却、またはローンに踏み切きったと筆者は予想している。
ひょっとしたら、MFデヤン・クルゼフスキとMFロドリゴ・ベンタンクールは
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