コラム:ユベントスを去る両雄が流した涙
2022/06/29
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
現地時間5月16日、トリノでは雨が降る予定だったようだ。
空は、“機嫌”を損ねることなく今シーズン限りでビアンコネーリを去るふたりのジョカトーレを送り出してくれた。
ひとりは17年もの長い間ユベントスを支え、前人未到のスクデット9連覇を唯一知るDFジョルジョ・キエッリーニ。
もうひとりはクラブにとって、特別な背番号である「10」を与えられたFWパウロ・ディバラだ。
前者はカタールでのワールドカップのためビアンコネーリと契約を更新したが、その道が閉ざされたため、退団を決断した。
現在37歳でありながら世界屈指のイタリア人DFは、「年間20試合しか出場できない選手より、年間50試合出場できる若手に道を譲る」と名言を残し、ユベントスを去った。
後者の退団には賛否両論あるものの、クラブそのものが考え方を変えた可能性が高いような気がしてならない。
EURO 24 NEWS筆者は、ディバラが凄まじいポテンシャルを持ったジョカトーレだと現在でも信じて疑っていない。
では、なぜユベントスは「宝石」の名で愛されたディバラと契約更新を選択しなかったのか。
「マウリツィオ・アッリバベーネCEO(最高経営責任者)をはじめとするクラブ首脳陣が拒んだ」
「マッシミリアーノ・アッレグリが必要としなかった」
さまざまな憶測が浮上するが、答えはもっとシンプルな気がする。