コラム:ユベントスが獲得した「次世代のスター」になりうる原石
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
ほそぼそとつづけているアンジェロさんとのYouTubeだが、このイタリア人のレストランテのオーナーはときどき、突拍子もなく“おかしな”ことをつぶやく。
以前、「あれ!? アルトゥールの移籍ってもう発表されたんだっけ?」と聞かされたときは、さすがに驚いた。
まだMFミラレム・ピアニッチとバルセロナのMFのトレード話がやっと、ニュースとして聞こえ始めた頃だったからだ。
理由を聞くと「これは正式に決まってから話すよ」と前置きし、この移籍がトレードになることなど詳細を教えてくれた。
何人かいるジャーナリストからイタリア版のLINEのようなSNSで頻繁にやり取りをしているらしく、ビアンコネーリに限らずさまざまな移籍市場を教えてくれる。
ただ決まって、「これは書いちゃダメだよ」と釘を刺されるニュースもある。
アンジェロさんはつねに陽気だが、ジャーナリストの友人との「仁義」にはとかく厳しい印象が筆者の中では濃い。
その約束を反故にしたことはないが、記事を書くうえでやや“前のめり”になってしまうことがあるので、注意している。
昨年の年末だった。
筆者が「誰なんですか? さっき話していた『素敵な選手が来るかもしれない』って選手は?」と聞いてみた。
すると「さすがに教えられない。この情報は古い友人からだし、ちょっと危険な気がする」と頑なに口を開かなかった。
諦めて帰ろうとすると、「ヴラホヴィッチだよ」と小さくつぶやいた。
「年末だからね。サービスするけど、絶対に書かないで」といつもの“警告”を忘れなかった。
個人的な感想だが、「それはない」と思っていた。
以前にも似たようなことはあったが、その選手は名前こそ紙面を賑わせたものの、結局トリノにやって来ることはなかった。