コラム:今夏のメルカートでユベントスが追うポグバは、あの頃の「POGBA」なのか
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
MFポール・ポグバがユベントスに別れを告げ、マンチェスター・ユナイテッドに復帰したのは2016年のことだ。
ビアンコネーリの伝統の背番号「10」を任せられ、1年目を終えた矢先、下部組織で育ち、プロキャリアをスタートさせたユナイテッドに復帰した。
では、この後の“振る舞い”を覚えているユベンティーニは、いったいどれほどいるだろうか。
ポグバはユナイテッドに加入が決まると当時練習場になっていたヴィノーボのロッカーを片付けずにマンチェスターに旅立っていった。
フットボール界には私物を片付けずにクラブを去る者は少なくないようだが、“残された”選手たちにとっては面白いはずがない。
ましてや、ポグバはユベントスの「顔」ともされる背番号「10」を任された逸材だっただけに憤慨した選手も少なくないはずだろう。
この“振る舞い”を一喝したのがパトリス・エブラだった。自身のInstagramで「ポグバ、少なくともロッカーは空にすべきだよ…」
90Min「荷物をマンチェスターに送ってもらえると期待してはいないと思いたい」と投稿。
ポグバにとって親愛なる“兄貴”からの忠告に「僕のことを想ってもらうために、残しておいたんだ」
「もちろん、マンチェスターにおくって寄越してもいいよ!」と親しき仲にも礼儀を欠いた返答をおくっている。
この元ユベントスのフランス代表MFは在籍中、憎まれた選手ではなかった。類まれなポテンシャルで今後を期待された逸材だった。
たしかに好不調の波はあったが、好調のポグバは手がつけられないほどの才能を感じさせたことを記憶しているユベンティーニは少なくないだろう。
そのポグバが4年の歳月を経て、ユベントスへの復帰がにわかに活気づいている。
MFミラレム・ピアニッチ放出で得る移籍金で獲得する説や、WGドウグラス・コスタを交渉に加える、などさまざまな憶測が飛び交っている。
真相は分からないが、たしかなことは獲得にユベンティーニでも賛否両論がある、ということ。
現在、世界中に新型コロナウイルスが蔓延しており、国外にいる日本人が母国に帰国している。
筆者の友人も何人か帰国している。先日、マンチェスターから帰国した友人のKくんと談笑した。
Kくんはどこのファンというわけではなく、フットボール全般のファンであり、至って“ニュートラル”なファンだ。
そのKくんから、「ポグバってどうなんですか?」と突拍子もない質問を浴びせられた。