コラム:ユベントスが歩む“けもの道”
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
ビアンコネーリに剥奪された勝ち点「15」が戻ってきた。
しかし、この決定は「一時的なもの」とされ、15日〜30日以内に“動き”があり決して一喜一憂できないもの、とされている。
それでも一喜一憂したいのがファン心理ではあるが、世界中のユベンティーニは大いに安堵していることだろう。
この決定に名門ローマをふたたび強豪クラブへと復活させた、ティアゴ・ピントGM(ゼネラル・マネージャー)は興味深いコメントを残している。
イタリア紙『Corriere dello Sport』は4月20日、「今回の決定は、泣かないために笑い飛ばさなければならないね」
「私は弁護士ではない。当然だが、司法に関する問題は私が話すべきではないことだ」
「しかし、カルチョに携わる“いち個人”として話すが、我々はおよそ3カ月、異なる順位表で戦っていたということになる」
SkySport「こうしたメカニズム自体が間違っているということさ」とベンフィカでその名を知らしめた敏腕マネージャーは、イタリアフットボール連盟(FIGC)へ不快感を口にした。
この発言を受け、記者からさまざまな質問が寄せられたようだが、「これ以上、私がいうべきことはない」と“管轄外”であることを強調している。
ピントGMが抱く「異なる順位表」は、上位陣を争うクラブすべての総意だと考えてもいいだろう。
ユベントスのOBであり、今シーズンのナポリのOBでもあるマッシモ・マウロ氏は「カルチョは壊れている」と語った。
つづけて「今シーズンのFIGC(イタリアフットボール協会)の行動は目にあまる」
「とくにユベントスへの不平等な扱いは、もはや“虐殺”だよ」
「彼らは本来の仕事を忘れ、ユベントスを罰することだけに躍起になっている」と強い憤(いきど)りをみせている。
では、FIGCとユベントスにはいつ頃から、このような軋轢(あつれき)が生まれたのだろうか。