コラム:「第二次アッレグリ・ユベントス」の正念場
著者:J-JOURNAL 編集部 山口 努
ビアンコネーリを率いるマッシミリアーノ・アッレグリ監督への批判は、日々激しさを増している。
『TUTTO SPORT』の元編集長であるXavier Jacobelli氏は、「ユベントスはなぜ、トリデンテで戦わないのか」と疑問を投げかける。
そして、「8試合で7ポイントというのは、降格するチームの平均勝ち点」と吐き捨てている。
たしかにFWケナン・ユルディズ、FWドゥシャン・ヴラホヴィッチ、FWフェデリコ・キエーザのトリデンテは魅力的だ。
この『TUTTO SPORT』の元編集長は、「アッレグリはチームの財産であるジョカトーレを守らなければならない」
「これ以上、この退化を容認することはできない」とコメントし、“徹底的”にアッレグリ監督の手腕に疑問を抱いている。
その一方で、このイタリア人監督は「若いジョカトーレを起用し、才能を伸ばしながら戦っている」と一定の評価を与えられている。
実際、チームの価値を上げていることを評価するメディアや識者もいるのは事実である。
アッレグリ監督はこれまで、「来シーズンのチャンピオンズリーグの出場権獲得」と「コッパ・イタリアのファイナリストになること」を公言してきた。
今月中にも獲得するはずだった来季のチャンピオンズの出場権は、1月の最後の試合となったエンポリ戦から暗雲が垂れ込めている。
エンポリに引き分けた直後のデルビー・ディターリアでは敗れたとはいえ、ウディネーゼにも敗戦し2連敗を喫したことは“言いわけ”にはならないはずだ。
ユベントスは今シーズン、サッスオーロに今季初黒星を喫してから、エンポリ戦まで公式戦18試合無敗の状態にあった。
そのうち、アタランタ、インテル、ジェノアと引き分けているが、“並”の監督では18試合も無敗を継続させるのはむずかしいはずだ。
「エンポリ戦からなにかが変わった」と思うことは自然であり、筆者はテクニカルな部分よりもチームとしての信頼関係が壊れてしまった気がしてならない。
思い返せば、マッシミリアーノ・アッレグリ監督の第二次政権はシーズン終了に近づけば、つねにそのような“醜態”をさらしてきた。